合唱コンクール 練習のコツ -中学生編 ー
我が子の通う中学校で毎年開催される合唱コンクール。
中学生、特に男子は「そんなのやってられないよ」という年頃の子も多いイメージですが、この中学校の生徒たちには、見当たりません。
男子も女子も、とても一生懸命に取り組んでいて、男子パートのパートリーダーの長男も毎晩、歌っている今日この頃。
やはり、”血”でしょうか。
合唱のこととなると黙っていられない母ですが、ここはぐっと我慢。
アドバイスを求められた時だけコメントします。
具体的な声の出し方のアドバイスはキリがないので、実践しやすいちょっとしたポイントをまとめてみます。
(→なんで私が歌にこんな思い入れがあるかはこちらを参照くださいませ)
追記:発声練習に入る前の準備体操や姿勢について、こちらでまとめました
Contents
1に選曲 2に選曲 自己満足でもいけない!
全国コンクールになってくると、審査員や審査の傾向まで加味した選曲を行いますが、学校内のコンクールなら、そこまでの考慮は必要ありません。
好きな曲、歌いたい曲というのは大前提なのですが、それでもうまくいくとは限りません。
- 抑揚、盛り上がりのある曲かどうか → 審査員も人間です。曲を多数聞くとわからなくなってきます。
- パート分けがクラスにあっているかどうか → 男女構成など、バランスがあっていないと悲惨です。中学生は声変わりの時期でもありますので、バランスを考えましょう。
- 好きな曲かどうか → やっぱり好きじゃなきゃ楽しめません
- 少しチャレンジな曲かどうか → 練習していて飽きるようでは上達しません。少し高めのハードルで練習の成果を感じられるような曲が良いでしょう。
こんなポイントがあげられます。 あと、最近、特に考慮に入れたほうが良いと思うのは、
「合唱のために作られた曲かどうか」
ということです。
最近は、人気歌手が歌った歌謡曲を合唱用に編曲されているものも多く見られます。 これは、1 や3の条件は満たすでしょう。
でも、歌謡曲だからこその落とし穴、あるのです。
歌詞を理解して 音とのバランス 抑揚を話し合う
歌謡曲ベースの場合、音に対して、言葉の数が多いのです。
話し言葉に近い歌詞が多いため、合唱になると、バラバラ、ガチャガチャに聞こえてしまうことが多々あります。
「良いんだけど、なんかまとまりがない…」 と聞こえるのです。
それを避けるためには、まず、歌詞の解釈をみんなで揃えて、音に正しく合わせていくことが必要です。
私の経験では、まず最初に、歌詞の読み合わせをしました。
パートごとに分かれて、この部分はこういうことを意味しているとか、こんな気持ちが隠れているとか、そういう解釈をみんなで話し合って、共通の認識を持つのです。
次に、音を取ってゆっくり音に歌詞を合わせていきます。 みんなずれないように、ゆっくり、しっかりと。
すると、歌詞の解釈でとらえた感情の動きや起伏とは、ちょっとずれているような音の動きがあったりするのです。
そこで、歌詞とメロディーとのバランスで抑揚、強弱、を話し合って決めていきます。 ここまでが基本です。
”い段” ”え段”は口を横に 息漏れする”さ行”と”は行”にも注意
続いて、具体的なポイントを。 「メロディーやリズムがそろっていても、歌詞が届かない」 ということはよくあります。
歌詞をはっきり発音しているのに~、と思っていても、全ての歌詞をはっきり発音してもダメなのです。 そこにもメリハリが必要です。
「い」とか「え」は、口を横に開きます。 歌う時は、大袈裟なくらいに横に開いてください。
ただでさえ弱い発声の音なので、意識することでよりメリハリが出てきます。 それから、もう一つ。
「さ行」と「は行」の音は息漏れがしやすいのです。 発声するときに、息も多く出ます。
それは仕方ないので、意識して強めにはっきり発音するようにするといいでしょう。
そんなことしたら、変だよ~、と思われるかもしれませんが、実際、気にするほど目立たないのです。
やりすぎと思うくらいやって、ちょうど良い発声になります。
ステージの外に出る声を出そう まずは気持ちよく発声して自分の歌にしてしまう
普段の練習は、クラスや音楽室などで行うことが多いはずです。
閉鎖空間で、自分たちの声は反響し、その声に包まれて練習をしていると、
「声量はばっちり!」
と思うかもしれません。
でも、実際に発表するホールに立ってみるとどうでしょう。
歌声がステージの中だけで響いて、ホールに届かないことがあります。
これではもったいない(涙)。 では、ホールに響き渡るような大きな声を出して歌うためにはどうしたらいいか。
それは、音取りから全体で合わせていく段階で、最初は強弱をあまり意識せず、できるだけ全力で歌って歌を自分のものにすることです。
とにかく、歌を自分の一部分に取り込む。
そして、できるだけ気持ちよく声を出す感覚をつかみます。
この時点では、それぞれが勝手に歌っていてまとまりなく聞こえてきます。 でも、大丈夫。
声が出るようになってから表現をつけて、強弱をつけていけばいいのです。
最初に”強”の部分ができていれば、”弱”を後から意識するのは難しいことではありません。
この逆は難しいのですが。
だから、最初は自由に、気持ちよく歌い始めてください。
やっぱり 笑顔が一番
口を思いっきり大きく開けて、よく動かすためには、自然と目も大きく開くことになります。
口を横に大きく開こうとすると、口角が上がって、自然と笑顔のように見えます。
だったら、最初から笑顔で歌いましょう。
曲調にもよりますが、ずっと暗い顔で歌っていたら、聞いている方も不安になるのです。
同じステージでも、暗く見えます。
その時点で、マイナスからのスタートです。
無理やりにでも笑顔にして声を出し始めると、だんだん楽しくなってきますよ!!
ソプラノは合唱の華 だけど
合唱曲の多くは、ソプラノがメインの旋律を歌うことが長いのです。
もちろん、アルトやテノール、バスを聞かせるアレンジも多いですが、やはりソプラノメインが多いはず。
「ソプラノは合唱の華」と言われます。
だけど、土壌となるバスやテノールが重厚で肥沃じゃないと。
そこに根を張って茎をのばすアルトがしっかり太くないと。
花は咲けません。
まさに、そこが合唱の美しく素晴らしいところです。
1人では小さな声も。
1人ではわずかな思いも。
みんなの声が集まれば、大きく素晴らしい思いになる。
素敵な思い出作ってくださいね、学生の皆さん♪